放射状瘢痕
放射状瘢痕とは
Radial scar (RS)は臨床的な意義が明確ではない良性増殖性の乳腺病変で、中心部の瘢痕様線維弾性組織とそれを放射状に取り巻く乳管や小葉より構成され、上皮過形成、硬化性腺症、嚢疱状拡張等の病変が混在する複合病変です。
最近では、これらの病理組織像をより反映しているRadial sclerosing lesion (RSL)と呼ぶ病理医も多い様です。
発見の機会と臨床上の問題点
RS は、近年の乳癌検診の普及に伴い、発見機会が増加しています。しかし、その画像所見か゛、乳癌、特に硬癌に類似する点が、臨床上の問題点です。
乳がんとの関連性
また、しばしば、乳癌、特に非浸潤性乳管癌を合併する事があり、その頻度は、報告によりかなり差がありますが、0 ~ 25%と報告されています。また、異型性増殖病変(異型乳管上皮過形成)を伴うことがあり、術後の残存病変から癌が発生する可能性もあります。当院でも、乳癌を疑い乳房部分切除を行なったところ、病理学的にRSと診断された症例で、術後5年以上経過してから、残存乳房に非浸潤癌を発症した症例があります。
治療と術後の注意点
このため、術前の組織生検でRSと診断された場合でも、術式と切除範囲の設定は難しく、また、術後病理診断が良性のRSと診断されても、術後の定期検査は欠かせません。
